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なぜクロップ監督はホーム開幕戦でゴールを奪ったマネのハグを拒否した? 答えは昨季の開幕戦にあり。

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 ようやくプレミアリーグの記事に着手しますが、まず初陣として取り上げるのはリバプールの指揮官、ユルゲン・クロップ監督です。



 選手を愛し、選手から愛される情熱家として知られるクロップ監督は、誰よりもゴールで歓喜を爆発させることに加え、誰よりも愛情深いハグを重んじることでも有名。クロップという名前を聞いて、笑顔で選手たちとハグしている画が浮かぶ方も多いことだろう。



19日に行われたホーム開幕戦のクリスタル・パレス戦、決勝ゴールを奪取したのはFWサディオ・マネだった。この日苦戦を強いられていたリバプールにとって、このゴールはクロップ監督を救うものとなった。



 後半28分、ゴール前のこぼれ球にいち早く反応したマネが右足でゴール左隅に流し込み、喉から手が出るほど欲しかった先制点の奪取に成功。勝ち点3を引き寄せるゴールの喜びを分かち合おうとマネはタッチラインに駆け寄ったが、クロップ監督はマネとのハグを厳しい表情で拒否。





 ネットではこのワンシーンが物議を醸しているが、なぜクロップ監督はマネの祝いのハグを拒否したのか?その答えは、昨季のプレミアリーグ開幕戦に隠されていた。



 昨季の開幕戦、リバプールはアーセナルと対戦し、4-3と壮絶なシーソーゲームを制した。決勝点となったゴールを決めたのは、当時新加入だったマネ。左サイドでボールを受けたマネはエッジの効いた切り込みで相手DF2人を抜き去りボックス内に侵入すると、左足を一閃。ゴール左上に突き刺し、4得点目でアーセナルを突き放した。



 ゴールを奪った直後、マネは一目散にタッチラインへ駆け寄り、クロップ監督に抱き着いた。チームメイトも集い盛大にゴールを祝った。しかし、これで緊張の糸が切れたのか、リバプールは立て続けに2失点。一時は3点差にしながら最終的には1点差の辛勝となった。



 アーセナル戦後、クロップ監督が開口一番に語ったのは、反省の弁だった。



「まだ30分も残っている段階で、興奮しすぎてしまった。4点目を奪ったからといって、喜んではいけないということだ。すぐに我に返ったんだが、その時点ではすでにマネを背負っていたよ。その瞬間に、チーム全体のスイッチが切れてしまったんだ」





 話を1年後の現在に戻そう。ホーム開幕のクリスタル・パレス戦、固い守備網を崩せずに攻めあぐねていたリバプールに、マネは待望の先制点をもたらした。クロップ監督も内心では喜びを爆発させたかっただろう。



 しかし、彼はちょうど1年前、歓喜のセレブレーションで痛い目に遭っている。クロップ監督は感情を押し殺し、ハグを求めるマネを突き放した。そして、厳しい表情でチームに檄を飛ばした。あの時のように、緊張の糸が切れないように。



 そして、それは紛れもなく、ユルゲン・クロップという人間が監督として着実に成長している証なのだ。




【了】




城福達也文 text by Tatsuya Jofuku



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